2011年6月19日

　　　　　　議員　殿

徳島大学教職員労働組合　

執行委員長　中嶋　信　

国家公務員給与引き下げ法案の廃案を求める要請書

　貴職が大震災の復興にご尽力されていることに敬意を表します。

　政府は6月3日、国家公務員給与を3年間にわたり5％〜10％を引き下げる法案を国会に提出しました。その閣議決定において、職員が非公務員である国立大学・高専にも、国にあわせた「必要な措置」を「要請」しているため、私たちはこの法案に重大な関心を持っています。

　政府はこれまで、国家公務員の労働基本権を剥奪した「代償措置」が、人事院勧告制度であるとしてきました。今回の政府の措置は、人事院勧告制度によらず、国家公務員の組合と職員の合意を得ずに給与引き下げを決定しており、国家公務員の権利を侵害する違法なものです。

　また、私たちは、国公立大学・高専の英知を結集して、震災復興のために被災地支援、学問研究、技術開発を進めているときに、突然の史上最大の賃下げという生活不安材料の出現で、大震災の悲劇に続いて心を痛めており、教職員のモラールを低下させるものとなっています。徳島大学は、「知の拠点」として、教育、文化、産業、医療などの分野を通じて地域の自立と発展に貢献しているところですが、賃下げが実施されれば地域間格差につながることが懸念されます。例えば、徳島大学は地域の要請に応えて、専門研究者を派遣して地域振興に関わる諸事業を支援しており、付属病院は高度医療の提供や医師派遣等によって地域医療を担っています。賃下げにより優秀な人材が確保されない事態が生ずると、力点を本来業務に集中させざるを得ず、地域への貢献が大幅に低下することが危惧されます。

　こうしたことから、貴職に対して下記のように要請する次第です。

記

　国家公務員給与最大10％引き下げ法案を廃案にする国会審議・運営をお願いします。

以上